森山未來の怪演を観に。ストーリーはまあ分かりやすくて楽しめた。
特筆すべきは360°回転するステージ。まだお試しという感じの使い方なのかな。
ちなみにこういう構造になっている。
この全方向型劇場は、2010年にオランダ・アムステルダムで上演を開始した「Soldaat van Oranje(邦題:女王陛下の戦士)」のために世界で初めて作られたシアターで、同作品は今日まで約190万人を動員する記録的なロングラン公演を続けている。
- 見えているのは90°の範囲のみ。客席が回転することで別の90°が見える。
- なので、最前列が一番良い席で、後ろに行くほどランクがさがるというのは今までの舞台と同じ。
- 同じ舞台上で、大道具を入れ替える必要が無いので、思い切ったレイアウトが可能。
- A→B→Aという場面転換が容易なので、ストーリー表現が繊細になる。
本物の水を使用して水辺を作り出したり、舞台Aから舞台Bへの移動を客席回転とともにすることで広い世界が演出表現されていた。単純に舞台切り替えの高速化と、描ける世界の幅が広がることで、観客の没入感はアップしていると思う。舞台演劇というより、シーンがぱっと切り替わるという意味では映画に近い感じがした。舞台間のシームレスな行き来を有効に使った走馬灯のようなシーンや、2つの舞台を同時に使うことで時間軸が並行するようなストーリー展開などが面白そう。タイムスリップモノやワープモノもイケそう。細かいけれど、暗転&客席回転に合わせてプロジェクションマッピングで投影風景を水平移動させ、酔いを防止する工夫がされていたのはありがたかった。せっかく新しい表現でも、それが不快になってしまっては元も子もない。
ところで、「髑髏城の七人」自体はかなりのロングラン公演らしく、前後比較した人がいて面白い。
ただ、このブログでも言われている通り、舞台機能を若干持て余している感じは、初見でも感じた。どうやって進化していくか、目が離せない。