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Site icon imageちちもブログ

日々の徒然

価値のある情報が見つかりにくくなっている問題。


価値のある情報が見つかりにくくなっている問題。

うっすら自分でも感じていたものの、実際に同じように感じて発信している人を見て「何が起きていて、これからどうなるのか。そうなったときに何が重要になるのか」を考えてみようと思った。

調べていたらこんな記事を見つけて、慧眼さに唸った。

死に続けるブログと「どこに書けばいいのか問題」

今回は「新規で知識を獲得したい、知りたい」となったときの話に絞ることにする。

何が起きているのか。

問題として起きていることは、価値のある情報へのアクセシビリティが下がってきているということに尽きる。Google検索がアフィリエイト記事に侵されているために、情報を取得するコストが上がってきているということだと思う。

価値のある情報を語るブログや記事は依然として存在しているものの、そこへのアクセシビリティが下がってきているということだろう。また、思考の発露先としての各種プラットフォームは隆盛している。

ところが、それらの価値のある情報が、プラットフォーム内に閉じ始めている。まずもってGoogle検索(SEO)に引っかかってこない。内部の検索エンジンも弱い。TwitterやFacebookを例にして考えてみればわかりやすいと思う。そうなると、ただ単に思いついたワードをGoogleの検索ボックスに入れても、望みの情報にはたどり着けない。どこのプラットフォームでどういう情報が手に入るかを知っていて、それを検索できるリテラシーが重要になってくるのは間違いない。

ところで、価値のある情報とは何か。自分は下記の2つと捉えている。

・ある事象に対して、現実世界への影響を包み隠さず語ったもの。

・自分とのシンクロ率が高い思想/思考、およびそれを深耕するもの。

これからどうなるのか。

ただ、ここまでの話、正直グーグルが頑張れば良いだけの話ではある。それですべて解決する気もしている。きっかけがGoogle検索って死にかけている部分もあるよね、なので当たり前と言ってしまえば当たり前である。例えば、包み隠していない度、自分の探している情報とのシンクロ率をページのランク付けの点数に採用して、検索できるようにしてくれるなどで解決するはずである。ただ、この意図理解だとか、情報の信頼度というのはGoogleも躍起になって取り組んでいるものの、なかなか改善できない部分だと思う。検索技術の改善が追いついてくるまでは、ここでこういう情報が手に入るのでこのプラットフォームで検索するべし、というプラットフォーム内での検索が、情報獲得の効率的な手段として使われるはずである。

何が重要になってくるか。

その際には、プラットフォームの情報の特徴を知っていることが重要になってくると考えている。ノイズが多いのか、澄んでいるのか。情報の練度はどうか、どういう属性の人が発信しているのかといった知識である。

わかりやすさのために、現行のプラットフォームについて、偏っているかもしれないが自分の認識を書いてみる。

■ Twitter

生の声が集まり、思想も出てきやすく、人を表現するのに適している。言葉を重ねているのでシンクロ率も判断しやすいが、ノイズ多め。

■Medium

ノイズは少なく、一次情報を元にした示唆に富んだ記事が豊富だが、抽象的なものが多く、短期の実践には使いづらい。

■note

見せたい自分像エッセイ、大喜利漫画など雑多なものに、PVが狙える役に立つノウハウ記事が紛れている。

情報の発信者を人、プラットフォームを一つの集合体と考えると、それはコミュニティとも言い換えられる。プラットフォームの情報の特徴の知識は、コミュニティの嗅ぎ分け能力とも言える。コミュニティの文脈理解や情報の信頼度の測りを知っているかどうかで、自分にとって価値のある情報に行き着くことができるかどうかが変わってくる。現代は情報戦で、自分の欲しい情報、価値のある情報を手に入れられるかは、あらゆる局面で重要になってくるはずである。(この辺は鍛えるの難しいので、サポートするサービスが出てくるんじゃないかとも踏んでいる。)

また、これまでは、情報を獲得するユーザー視点で考えてきたが、情報発信者含むプラットフォーム(コミュニティ)側でできることもあるはずだと考えている。発信者側としては、プラットフォーム内の検索容易性もさることながら、自分の情報を必要としている受動的なコミュニティ参画者(情報獲得ユーザー)に、しっかりとリーチできることが重要になってくると考えられる。簡単に言うと発信側と受信側のユーザーマッチングである。

ここで、イメージのために発信する側の視点に立って、各種思考発露のプラットフォームを2軸で分けてマッピングをしてみた。ノイズの多寡とタッチの速さ/多さである。どこで何を表現しやすいか、何が期待されているか、を考える参考になればと思い作成してみたがどうだろうか。

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図示した通りだが、Twitterで一定規模のユーザー獲得を目指そうとすると、そのプラットフォームの特性上、発信の手数が必要になる上に、Tweet芸が勝敗を分ける部分も大きくなってくるため、向き不向きを理解した上で、いまどこでどういう発信をしていて、それが受けてからするとどういう立ち位置なのかをよくよく考える必要がある。澄み切った思想を言葉を尽くして発信するには、Twitterは不向きだとも言える。(あらゆるTweetに思想を込めて、ノイズなく根気よく発信できるならば良いが、できる人は稀。そしてユーザーもそのつもりで来ていないと考えるとミスマッチが起きそう。)

例えば、LayerXの技術発信は、なぜnoteではなく、はてなブログでもなく、Mediumで行われているのかを考えてみるのも理解の一助になると思う。

また、情報は人からしか生まれないという前提に立つと、誰がコミュニティに発信者として存在しているかがコミュニティの雰囲気を方向づける。コミュニティを持っていきたい方向にドライブしてくれる人をいかに集めるかというのが、プラットフォームおよびコミュニティマネジメントの肝になる。(よく言われていることではあるが、再度認識した。)

もう一歩進めて、さらにそれらのコミュニティの発信者は、(情報の価値が、現実への影響度とシンクロ率で評価されるとしたら)現在の単なる人気に左右されないはずである。そうなったときに、細分化されたジャンルにおいて数多くの発信者が生まれてくると面白いと思う。(個人的には、その萌芽を、幻冬舎 箕輪さんの取り巻きのインフルエンサーの人々に感じている。)

繰り返しにはなるが、どのプラットフォーム(コミュニティ)がどういう色で、ユーザーとどういう繋がり方ができ、どういう期待を情報の受け手が望んでいるかを理解して、何を発信するかを柔軟に設計できる能力が重要になってきている。すでに実践している人が多く、特にアクションも変わらないという内容だとは思うが、こう整理してみると、Google検索結果をきっかけに興味深い思考実験ができたので書いてみた。