狂おしいまでに相手を想う心。
恋というにはどす黒く、愛というには危うい。おそらくその正体は、独占欲なのだろう。独り占めできなければ一層強くなる。
人はいとも簡単に愛だとか恋だとかと独占欲を倒錯してしまう。それは強烈であるから、儚くて、浮世離れしていて、美しくて、だからこそ、かけがえのない感情のように思えてしまう。その強烈さの前では全てが二の次に感じられてしまう。だからこそ生きていられる。心が痛すぎて他のことが気にならなくなる。
それは、愛、恋、独占欲にとどまらない。成功と執着、正義感と怒りや復讐。執着している人が成功するのは、成功への出力が高いからではなく、その根源が執着にあるからだ。アクセルの機構が違う。出力の問題ではない。種類の問題で勝てないのである。
そう、だからこそ、愛は独占欲には勝てない。同じ土俵に立てない。そういうことなんだと思う。独占欲に身を焼き尽くされ、人生をおかしくするように、人は、健全な感情を、人生の一回性の名のもとに、欲望にすり替えてしまうのであろう。それはある種、人生の到達点のように思え、繰り返し目指され、逃れがたい。
なんで自分がこんな感情になるのか、気付けなければ、ずっと気付けない。これって愛とか恋とかっていうやつだよね?何で他の人とはこんなにも違うの?
こんな強烈な感情と健全に付き合っている人間などいるのだろうか?
その狂おしい姿に適切な言葉を当てはめて理解してしまうのは簡単だった。それと同時に美しさも消えたのだった。
